2018/05/25

1963年生まれとうとう40代にはいる。

出張工事をしてよく利用していた旅館の奥さんから たまに電話がかかっていた。
そのときに 今の仕事をもう辞めるかもしれないと話していたんだけど リセットしたいと前回のエピソードで記したが タイミングよく また電話があった。
旅館の友人がホテルをやっているので そこが人を探しているという。
アパートからは100km以上離れて場所なので 引越をしないと無理っぽい。
そんな話をしていったん断ったいたんだけど 再び連絡があって とてもいい話をもらった。
旧客室を使う事はないので、そこの部屋を無償で貸すから越してきて ホテルで働かないかという事だった。とりあえず ホテルの社長とは面識もないので 面接をしてもらう事になり 旅館に行ってみた。
面接とは 久しぶりの体験だった。滅多にスーツも着なかったから
ボタンが留まらないのではと思ったが ギリギリ着れた感じだ。
社長は気さくで優しそうだったが…
数年前までは年に2か月は泊まってた旅館が なんかなつかしく感じた。
旅館の食堂で 履歴書を持って面接をしてもらい すぐにでも働いて欲しいという事になった。そのとき37才だったが もうすぐ38になる年だ。
今迄とは 全然違う職種。ただ 気になっていたのは前職の時の人達が この旅館に時々やってくるので 出くわすのが 不安でもあった。
仕事は 夜勤のみで夕方7時から朝5時半くらいまでだ。

しばらく 旅館の部屋でお世話になっていたが ちょっと迷惑をかけてしまい 旅館を出てアパートを借りることになった。ホテルの社長もそうしなさいというので、荷物はあまりなかったが アパートを探した。
見知らぬ土地で身内もいないから 最初目のアパートは断られ 町の小さな不動産屋でみつけたアパートは 母親が県外でも保証人は誰でもいいというので ホテルの社長が快く引き受けてくれそのアパートを借りることができた。引っ越しした日は忘れてない。クリスマスイブのものすごく寒い日だった。

はじめて1Kという部屋で 広くはないけど ひとりで住むには充分かと思った。オートロックもついていて余計な訪問者に会わなくて済む。そしてなにより静かだ。
前のアパートは裏に 田んぼがあったが 今回は裏に川が流れててその向こうにたんぼがありたとえ 部屋で裸でウロウロしても外から見えることはない。
長い間住んでいたアパートだった。人生最長記録の7年間。
狭いながらそれなりに過ごせた。基本夏場はエアコンつけてるけどトランクスだけで裸でいることが多い。
ベッドも折りたたみ式にしたが 滅多にたたむことはなかった。
この部屋の条件として ガスと灯油は禁止となっていたので とりあえずミニキッチンがついてて 電熱器のコンロがあったけどお湯を沸かすだけでも かなり時間がかかる。
使えないと判断したので カセットコンロを使う事にした。おそらくカセットコンロも禁止なのかもしれないが 契約書には書いてないし 調べに来るわけでもない。

いざ、働きはじめるとまずは ホテルの部屋の仕組みを覚えるために毎日 数時間部屋の掃除を女性のスタッフに教わる。風呂掃除は15分以内で終えなければならない。水滴を残らず拭き取って 最後によく見て 毛が一本も落ちてないように。これが基本だ。
掃除した本人の毛が落ちることもあるので 後ろ向きに出てくるように教わる。
最初は15分では無理だったけど 一番早く掃除できるようになった。
あまりきれいな仕事ではないと感じていたが気にならなくなる。
それから 風呂用の洗剤で手が荒れるので フロントの仕事をしてるとき お客さんとの接客で手をみられるから 荒れないようにちゃんとケアするように言われた。
要は ハンドクリームを塗って 爪をちゃんと短くしとけばいい。そう解釈した。
約1ヶ月間 前半は社長からフロントの仕事を教わりながら 掃除を覚え後半はその奥さんから仕事を教わり 今迄とは全然違う みたこともないものや経験をし仕事を覚えた。
朝方 アパートに帰る時は ほとんど対向車もなく 人に会うほうがめずらしい感じだったが オートロックを解除して部屋にはいるともう誰とも会うこともない。
密かに 平穏に生活するには最高だった。それで2~3年経過したが 僕も40になり 話す相手は職場の人だけで それも 勤務時間の半分だけ。夜勤12時から朝までひとりぼっちで任されたいたので話し相手もいない。唯一話すといえば 宿泊してるお客さんの対応だけだ。それでも 自分で決めた事なので5年間 夜勤のみの生活を続けた。

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